学生で取る資格とは?

変形労働時間制

 変形労働時間制とは、労働時間を月単位・年単位で調整することで、繁忙期・閑散期等に
応じて勤務時間を設定し、勤務時間が増加しても時間外労働としての取扱いを不要とする労
働時間制度です。
通常、労働時間は「1日8時間、1週40時間」とされ、これを超えれば時間外労働(残業)と
なります。しかし、業種によっては隔週ごとに繁閑が発生する場合があり、第1週は50時間
労働が必要でも、第2週は30時間労働で足りるということもありうるからです。
このように、いわゆる繁忙期・閑散期のある業界・職種は、変形労働時間制を積極的に取り
入れることで、残業代コストを抑制する傾向にあり、夏休みなどの長期休暇がある教職員な
どでも導入が検討されています。
 
 
◆週単位の非定型的変形労働時間制
 週単位の非定型的変形労働時間制とは、1週間単位で毎日の労働時間を弾力的に定めることが
できる制度であり、労働者が30人未満の小売業・旅館・飲食店などの場合に限って導入する
ことができます。
週単位の非定型的変形労働時間制を導入するためには、労使協定において1週間の労働時間を
40時間以下に定めるとともに、40時間を超えて労働させた場合には割増賃金を支払う旨を
定めたうえで、所轄の労働基準監督所長に届け出ることが必要です。
週単位の非定型的変形労働時間制の場合、1週間の労働時間が40時間以内であれば、
1日10時間まで労働させることができます。
 

◆1ヶ月単位の変形労働時間制
 変形労働時間制を導入している企業で多くの割合を占めるのが、1ヶ月単位の変形労働時間制です。
例えば、1ヶ月間を変形労働時間制の期限とすると、月ごとの法定労働時間以内で、就業時間を定めます。
 

◆1年単位の変形労働時間制
 1年間の変形労働時間制は、1ヶ月以上1年未満で労働時間を設定する変形労働時間制で、
シーズンごとに繁忙期・閑散期があるような業態に適しています。例えば、繁忙期には就業時間
を伸ばしたり、週6日間労働にするなどして対応します。そして、閑散期には出勤日数や就労時間
を減らすことで、年間の就業時間数が、年間の法定労働時間内に収まるようにするのです。
 
 

同じく、1日8時間という法定労働時間の枠にとらわれない労働時間制の働き方があります。

◆フレックスタイム制
 フレックスタイム制は始業時刻と終業時刻を労働者の裁量に委ねる労働時間制度であり、
労働時間は月単位で計算します。月の労働時間が法定労働時間を超えれば残業代が発生する制度です。
フレックスタイム制と変形労働時間制の違いは、各日の労働時間は労働者に委ねられている点です。
変形労働時間制では各日の労働時間は会社が設定するのに対し、フレックスタイム制では会社は
1か月の総労働時間を設定するのみで、労働時間は各自で決めることが出来ます。
 
◆裁量労働制
 裁量労働制とは、労働時間を実労働時間で算定せず、一定時間とみなして運用する制度です。
そのため、裁量労働制の下では実際には長時間の労働があったとしても、残業代は決められた範囲
でしか発生しません。
 
 
*割増賃金の支払いについて
 変形労働時間制を採用しているときは、時間外労働をさせたときの割増賃金の計算方法が通常とは異なります。
例えば、7時間が所定労働時間の日に8時間働いたのであれば、1時間残業したことになりますし、
10時間の所定労働時間の日に10時間働いても、残業をしていないことになります。
仮に所定労働時間以内に退勤したのであれば、早退扱いになります。
その点については、就業規則を確認するようにしてください。
 
 

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