学生資格試験対策

グループディスカッションを知ろう②

 グループディスカッションを知ろう①に続き、
今回はグループディスカッションでの“役割”についてご説明します。
それぞれの役割に求められていることをしっかりと理解し、「自分が得意な役割」を知ってお
きましょう。

 さて、まずはグループディスカッションの役割をご紹介します。
役割は主に下記のものがあります。

①司会…意見を聞き出してまとめる、話し合いを進行する
②書記…意見を書面もしくはホワイトボードにまとめる
③監視者…議題から話がそれた際に元の流れに戻す
④タイムキーパー…1つの話し合いに費やす時間を決めて計る
⑤アイディアマン…さまざまな意見を発表する
 
 
 グループディスカッションのはじめに、どのような役割を担うのか話し合うタイミングがあ
るかと思います。ここで注意しなければならないのが、変に目立とうと苦手な役割を申し出な
いことです。大事なのは、“目立つ”事よりも議論への参加の仕方や貢献できるかという事。
ですので、苦手なのに目立つからと司会に立候補してグループ全体の評価を落としてしまうリ
スクを負うよりも、得意な書記などの役割でチームを支える方が良いでしょう。また、他にも
同じ役割が得意な人がいた場合や、得意なものが偏ってしまうチームだった場合にも対応でき
るよう、1つだけにこだわらずいくつか練習しておく事をおすすめします。

それでは各役割について解説していきましょう。
 
 
①司会

ポイント:意見を引き出しながらまとめていく

 司会の役割は議論を整理・活性化することです。議論を仕切るのではありません。
内容を整理しながら進め、参加メンバーの意見に相槌を打ちながら質問を投げかけ、議論を活
性化することが主な役割となります。聞く際にはしっかりと相槌を打ち、また、同調するだけ
ではなく指摘しながら議論を進められると内容に膨らみが増します。話を聞きながら頭の中で
意見をまとめつつ、タイミングを見て議論を打ち切る判断力も必要です。
「○○さんは、○○の意見についてどう思いますか?」など、発言が少ない人に対して話を振る
機転も求められます。

注意点:司会の手際がグループ全体の評価を左右する

 最も目立つ役割なので評価されると思われがちですが、失敗するとディスカッションそのもの
が台無しになってしまうリスクがあります。
意見を出す人が少なく進みが悪いと感じた場合には、「自分は○○だと思いますが✕✕さんはど
うですか」といった風に、積極的に話しかけてください。議論が白熱してきた場合には、論点
がずれないように注意しておきましょう。
 
 

②書記

ポイント:意見を種類ごとにまとめる

 書記は、一見地味ですが実はとても議論に貢献できる役割です。
書記の役割を担う場合は、同じ意見ごとにまとめていくのがポイントです。出た意見をただひ
たすら書き出すのではなく、同じものと違うものに分けて書くことで、メンバーや採用担当者
から見ても理解しやすくなります。特に、ホワイトボードを使用する場合は、全員が書記のま
とめた意見を見ながら進めることになるので、重要だといえるでしょう。この際、文字の癖が
強いとメンバーが読めないので、丁寧に文字を書くことを心がけてください。内気な人にも向
いているポジションです。書記が向いていると思う人は、ディスカッション用に大きめの
ノートを用意しておくと良いでしょう。

注意点:まとめることに集中し過ぎない

 書記は、文字を書いて意見をまとめていくため、なかなか発言するのが難しいポジションです。
意見をまとめることに集中し過ぎて発言できないでいると、良い評価を得られません。採用担
当者の印象に残らずにグループディスカッションが終わる可能性も、十分に考えられるでしょう。
そのため、書記を選ぶ場合は、「何も発言しなくていい」とは思わずにタイミングを見て意見
を述べることが大切です。「ここまでの意見は○○といった感じにまとめられます」など、途中
経過を伝えるのも良いでしょう。
 
 
③監視者

ポイント:一歩引いた冷静な視点で全体を把握する

 議論の進行がずれたり、誤った方向に行かないように監視する役割です。
話し合いが活発になり、テーマから話す内容がずれたときに軌道修正をします。
また、司会、書記、タイムキーパーが役割を果たせていないときフォローします。
少ない発言数でも一目置かれるポジションです。周りをまとめるのは苦手でも、冷静な視点に
は自信のある方におすすめです。

注意点:監視しつつも意見を出す

 上手く回せている場合は、ただの傍観者で終わってしまいます。議論の全体像を把握しながら
冷静な発言をすることが求められます。
 
 
④タイムキーパー

ポイント:他の役割と並行すれば高評価が得られる

 タイムキーパーの役割は、議論の時間を管理する役割です。
そのため、グループディスカッションが少人数で行われる場合は、もう1つ役割を担うことが
可能です。上記の役割と兼任すると、「複数の作業を並行してできる」と、好印象を与えられ
るでしょう。
例えば「議論が盛り上がっているところ申し訳ないのだけど、もう最初に決めたまとめの時間
に入っているので、意見の対立点と合意点を書きだして、結論を出す方に集中しませんか?」
など、時間以内に結論を出せるようにチームメンバーに働きかけることができ、議論に貢献す
ることが出来るでしょう。

注意点:時間を気にし過ぎて言い方が鋭くならないようにする

 タイムキーパーは、時間の管理を任されるため責任が重いと感じることから、神経質になりや
すい役割です。時間通りに議論を進めようとすることから、つい言い方が鋭くなることも珍し
くありません。あまり鋭い言い方をしてしまえば、メンバー間の雰囲気が悪くなってしまう可
能性もあるでしょう。
タイムキーパーになり、時間を見て次の議論に進みたいと感じた場合には、「そろそろ時間な
ので~」といった風に、鋭くならない言い方を心がけてください。無理矢理議論を止めるので
はなく、落ち着いた言い方で上手に誘導することが大切です。
 
 

⑤アイディアマン

ポイント:とにかく意見を出すのに集中する

 グループディスカッションにおけるアイディアマンは、唯一意見を出すことに集中できる役割
です。司会や書記のように意見をまとめたり、タイムキーパーのように時間を計ったりしなく
ていいため、話し合いに専念できます。多くの意見を出すことで、グループディスカッション
の結論を出すことにも貢献できるでしょう。また、企業が求める回答を導き出せる可能性が高
いことも、アイディアマンならではの魅力といえます。

注意点:積極的に発言しなければ意味がない

 アイディアマンには、他の役割に比べて目立ちにくいという欠点があります。多くの意見を出
せれば高評価を得やすい分、何も発言できなければ評価される部分がなくなってしまうのです。
かといって、あまり意見を出し過ぎると、他の人が発言するタイミングを奪ってしまい「協調
性がない」と思われます。そのため、発言の度合いが難しいといえるでしょう。アイディアマ
ンになる場合には、タイミングを見てなるべく多く発言することが求められるのです。
 
 

 その他にも、意見の欠陥や不備を指摘するネガティブチェック係、結論をプレゼンする発表者
など、企業に役割を追加される場合があります。
 
 
 グループディスカッションを成功させるポイントは、メンバー全員が積極的にアイデアや意見
を出し合った上で、制限時間内にグループの意見を1つにまとめることです。意見をまとめる時
は多数決で採決するのではなく、全員が納得できるような結論を目指しましょう。
司会・書記・タイムキーパーは討議をスムーズに進めるために行動する必要があり、それ以外
のメンバーもうまく進むように積極的にサポートしなければなりません。役割分担がある程度
決まったら、まずは時間配分や何について話すかなどの大まかな方向性を決めましょう。
メンバー全員が討議の流れを把握していると、うまく進む可能性が高くなります。このような
点を意識すれば、グループディスカッションを攻略するのは簡単です。議論のデザインを最初
につくりあげ、周りの話を聞きながら積極的に議論に貢献しましょう。
 
 
 他にも、注意しておきたい点があります。いわゆる「クラッシャー」と呼ばれる存在です。
討議に積極的に参加しようとしないメンバーや場を乱すメンバーがいると、雰囲気が悪くなっ
たり、結論を出せずに終わったりすることも十分にあり得ます。
うまく進めるためには、クラッシャーを放置しないことが重要です。

クラッシャーにはいくつかのタイプがあります。
・発言が少ない人
 →「〇〇さんは××についてどう思いますか?」などと発言を促す
・他の人の意見を聞こうとせず一人で話し続ける人
 →「みんなの意見を聞いた方がいいと思うので、順番に言いましょう」などと提案する
・他の意見を否定する人
 →代替案や具体的な解決策の提案を促す
・自分の意見を押し通そうとする人
 →意見の矛盾や問題点を指摘するなど論理的に攻めてみる

 大切なのはクラッシャーだからと言って批判したり否定したりしないことです。
どうすれば友好的にその場が収まるかを常に考えて行動しましょう。
 
 
 審査員の印象に残ることは大事です。
ですが、目立とうとして悪目立ちをしたりグループのメンバーに迷惑をかけるような勝手な
行為は慎み、良い議論をした上で内定を勝ち取りましょう。
 
 

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